奈良県の信貴山の東南麓に位置し、開発された住宅地に建つ若い夫婦と幼い子供たちの家。
景観保全地区により、屋根の形状を両勾配にすることなどがルールとして決められていた。建物のシルエットをシンプルな家型として無駄なものをそぎ落とすことで、建物の外形が似がちになってしまう街区のなかで一際存在感のある建物になった。
1階は広々としたワンルームになっており、キッチンからデッキや庭が一望でき、遊びまわる子供たちの姿を確認しながら安心して家事が行える配置になっている。
LDKに接続する形で畳コーナーを設けているが、仕上げを畳でなくビニルの織物床材を使用することで、クールで一体間のある空間になっている。
2階は個室と納戸、しばらくは子供たちの遊び場となるロフトスペースで構成されているのだが、リビング上部の吹抜けに開口をつくりつなぐことで、視線や会話が行き交い、どこにいても家族の存在を感じながら生活できる。
緑あふれるのどかな敷地に建つ白いミニマルな建物が幼い子供たちと一緒に成長していき、さまざまな色に染まっていくのが大変楽しみな家が出来上がった。